振り返るREVIEW
このページでは、阪神・淡路大震災や阪神大水害、東日本大震災など過去の災害を振り返ります。
これからの災害への備えにお役立てください。
1. 阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)
神戸市を含む阪神・淡路地域で平成7年1月17日に発生した、大都市直下型地震(マグニチュード7.3)
震源の深さが16kmという比較的浅い部分で発生し、地震の継続時間が短い反面、揺れの振幅が18cmと観測史上最大になるという強い地震であった。また、古い木造住宅の密集した地域において、地震による広範囲な倒壊、火災が発生し、兵庫区、長田区などでは火災が同時多発した。
兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)による主な被害(神戸市)
市内震度の最大値 | 震度7 | |
---|---|---|
人的被害 | 死者 | 4,571人 |
不明 | 2人 | |
負傷者 | 14,678人 | |
避難者数(ピーク時) | 236,899人 | |
建物被害 揺れによる建物倒壊数 |
全壊 | 67,421棟 |
半壊 | 55,145棟 |
2. 南海トラフ巨大地震
南海トラフ地震の震源域と活動履歴
駿河湾から九州にかけての太平洋沿岸では、海側のフィリピン海プレートと日本列島側のユーラシアプレートなど大陸側のプレートが接し、プレート境界には南海トラフが形成されている。
フィリピン海プレートは、毎年北西に3~5cm程度の速さで、南海トラフから大陸側のプレートの下に潜り込んでおり、これにより生じた歪が元に戻ろうとするときに破壊が起こり、巨大なエネルギーが一気に放出され海溝型の巨大地震が発生する。
駿河湾から土佐湾までの南海トラフのプレート境界では、歴史的に見て、概ね100~150年の間隔で海溝型の巨大地震が発生しており、昭和東南海地震及び昭和南海地震が起きてから70年以上経過していることから、南海トラフにおける次の大地震発生の可能性は高まってきている。
3. 東日本大震災
写真提供:仙台市
平成23年3月11日に、三陸沖でマグニチュード(M)9.0の地震が発生し、宮城県栗原市で震度7を観測したほか、東北地方を中心に、北海道から九州地方にかけて震度6強から1を観測した。なお、M9.0は、国内観測史上最大規模の地震となる。
※東京都復興支援総合記録誌より
東日本大震災による被害状況
震度の最大値(宮城県栗原市) | 震度7 | |
---|---|---|
人的被害 | 死者 | 18,958人 |
不明 | 2,655人 | |
負傷者 | 6,219人 | |
建物(住家)被害 | 全壊 | 127,291棟 |
半壊 | 272,810棟 |
4. 過去に発生した風水害
1)昭和13年梅雨前線豪雨(阪神大水害)
7月3日から5日にかけ梅雨前線の北上に伴い神戸市内で雨が降り続き、5日は269ミリの豪雨となり、総雨量は461.8ミリに達した。六甲山系では土石流が発生し、岩石・流木・土砂の流出が著しく、全市にわたり道路、耕地の埋塞、橋梁の流失が続出した。死者は616人、家屋全半壊は8,653戸と甚大な被害となった。
2)昭和36年梅雨前線豪雨
6月24日から27日にかけ県下南部に大雨が降り、総雨量では472.1mmと昭和13年豪雨の461.8mmを上まわったが、1時間当たりの降雨量が13年の60.8mmに比べ44.7mmだったため被害は遥かに少なかった。しかし、傾斜地における宅地造成工事中の崖崩れ、土砂流出による局地的被害が大きかった。
3)昭和42年梅雨前線豪雨
台風第7号から変わった温帯低気圧に刺激されて、西日本に停滞していた梅雨前線は7月9日朝から活発な活動をはじめ、同日夜までに各地に記録的な集中豪雨を降らせた。この集中豪雨は、九州北西部を襲った後、低気圧の進路に沿って雨域を次第に、中国、四国、近畿、東海と拡め、被害は東へ進むにつれ、大きくなった。本市は、9日午後4時頃になって雷をともなう集中豪雨にみまわれ、市内全域にわたって甚大な被害をうけた。9日の雨量は319.4mmを記録した。
この猛烈な豪雨のために市内は、河川のはん濫により広範囲にわたり、浸水、山手地帯では、急激な出水等による崖くずれ、家屋の倒壊等が生じ、甚大な被害の発生をみた。
4)室戸台風
昭和9年の室戸台風は、室戸岬のすぐ西方に上陸し、高知県東部から徳島県、淡路島を経て、神戸市中央部を通過し、京都市付近を経て日本海に抜けた。神戸市内での最低気圧は954.6hPa、最大瞬間風速は33.0m/sに達し、阪神間は高潮と暴風雨のため海岸地帯は浸水に見舞われた。
5)ジェーン台風
昭和25年8月28日に硫黄島付近で発生し、室戸岬東方から神戸を通過し、若狭湾へ抜けた。神戸市内での気圧は964.0hPaで、最大瞬間風速は47.6m/sに達した。室戸台風と類似した経路を取り同程度、同性質の被害(風害と高潮、浪害)をひきおこした。神戸市内では港湾施設の被害が特に大きかった。
神戸市内での風水害の発生状況
梅雨前線
災害の名称 | 死者 (人) |
負傷者 (人) |
家屋 全半壊 (戸) |
床上・床下 浸水 (戸) |
総雨量 (mm) |
時間 最大雨量 (mm/h) |
---|---|---|---|---|---|---|
昭和13年 梅雨前線豪雨 |
616 | 1,011 | 8,653 | 79,652 | 461.8 | 60.8 |
昭和36年 梅雨前線豪雨 |
26 | 33 | 388 | 19,369 | 472.1 | 44.7 |
昭和42年 梅雨前線豪雨 |
84 | 35 | 737 | 37,521 | 319.4 | 75.8 |
台風
災害の名称 | 死者 (人) |
負傷者 (人) |
家屋 全半壊 (戸) |
床上・床下 浸水 (戸) |
最低 気圧 (hPa) |
最大 瞬間風速 (m/sec) |
総雨量 (mm) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
昭和9年 室戸台風 |
6 | 23 | 200 | 10,466 | 954.6 | 33.0 | 81.0 |
昭和25年 ジェーン台風 |
1 | 17 | 3,269 | 3,269 | 964.0 | 47.6 | 209.0 |
5. 近年に発生した風水害
1)新湊川水害
平成10年9月22日、台風第7号の集中豪雨により、震災復旧の工事中であった新湊川が洗心橋付近であふれ、付近の土地が低いところに浸水被害が起きた。 翌平成11年6月29日にも梅雨前線の豪雨で洗心橋付近があふれ、東山商店街を中心に被害が生じた。
2)台風16号・18号(平成16年)
平成16年の台風第16号、18号など4つの台風が神戸港に高潮をもたらした。これらの高潮は、冠水被害をもたらし、新港地区の高潮事業着手のきっかけとなった。
3)都賀川水難事故
平成20年7月28日、都賀川周辺での突発的、局所的な集中豪雨により、川の水位が10分間で1.34mも上昇した。
水遊びなどで都賀川や河川敷にいた16人が急激な水位上昇により流され、うち11人は消防団員や他の民間人によって救助されたが、児童3人を含む5人の死者が発生した。
4)平成30年7月豪雨
7月5日未明に大雨警報等及び土砂災害警戒情報が発表され、7月7日までの総雨量は神戸市中央区で466.0ミリと、昭和13年の阪神大水害の総雨量を上回り、各地で土砂崩れをはじめとした災害が発生した。
特に土砂崩れ等の被害が大きかった篠原台地区では、ドローンを活用して被害状況を把握するとともに、「篠原台緊急対策チーム」を立ち上げ、市民生活の早期安定を図った。
この災害では、全壊住家が10件に達し、神戸市で初めて、被災者生活再建支援法が適用された。
5)台風20号・21号(平成30年)
台風20号では、神戸空港において雨量が8月24日0時30分までに136.0mmに達し、近畿地方では潮岬で1972年に観測した145.0mmに次ぐ猛烈な雨を記録した。
また、台風21号では、神戸において、潮位が第2室戸台風(1961)の230cm を超える233cm を記録し、六甲アイランドでは海上に多数のコンテナが流出するなど、各地で甚大な高潮被害や内水氾濫が発生した。