2023神戸市役所インターンシップ@危機管理室 前半②神戸市 危機管理室
1日目の午後は、さまざまな危機管理室の事業内容や防災気象官のお話を聞きました。
気象予報による備え
気象庁で働き現在は、危機管理室の防災気象官の方より線状降水帯や災害が発生しやすい地域の特徴から防災気象情報について学びました。
特に、印象に残ったところは「自然災害の素因と誘因」と「自然災害と向き合う姿勢」についてです。
一つ目は、自然災害の発生には①その土地が持っている災害に関わる性質(素因)+②災害を発生させる直接的な引き金(誘因)が合わさると学びました。
災害に直接関係するものだけではなく、地域の性質にも目を向ける必要があると思いました。
二つ目の向き合う姿勢は、根拠が無くても異常であることを正常と思い込む「正常化の偏見」をなくすことが重要でした。
自然災害では、自分が巻き込まれてからではもう対処できないので、自然に対して常に謙虚な姿勢で心構えをすることが肝心だと学びました。
危機対応ライン(国民保護)事業説明、防災専門官の話
危機対応ライン(国民保護)事業は、自然災害からテロミサイル攻撃、健康危機まで多岐にわたる危機に効果的に対処するための重要取り組みです。主な業務は、高さ15mの屋外スピーカーを活用し、防災行政無線で市民に情報提供。また、情報機器整備やJ-ALERT、Em-Netを通じた災害情報共有も行います。24時間365日の初動対策員待機や危機管理室での連絡連携体制は、突発的な災害に迅速に対処する重要な手段です。さらに、ドローンを活用した情報収集や支援活動も行います。毎年行われるミサイルやテロ対策の訓練は、危機への準備を進化させる役割を果たしています。
危機対応ライン(国民保護)事業の重要性と、その多面的な取り組みに深い感銘を受けました。特に、初動対策員が24時間365日の体制で待機する姿勢から、その使命感と緊急性が強く伝わってきました。また、防災専門官から危機管理室での勤務においても自衛隊での経験を活かすことができているとのお話を聞き、経験が持つ価値の大きさを改めて理解しました。
防災体制整備ラインの事業説明
危機管理室の防災体制整備ラインよりテロ行為や自然災害以外の危機管理についてお話を聞きました。
防災体制整備ラインは、「ヒアリ」などの特定外来生物、感染症やサイバーテロを担当しています。しかしこれらの危機は、環境局や健康局などの部局がそれぞれ直接対処するのですが、防災体制整備ラインは彼らの業務が円滑に機能しているのかチェックする仕事をしています。
また、防災に関するシステムのDX化も推進しています。
具体的には、「SIP-KOBE実証実験」というLINEを活用した災害情報共有により市民と防災を共助する意識を高めるシステムがありました。
このLINEを活用した災害情報共有は市民が慣れ親しんだサービスをターゲットにしている素晴らしい戦略だと思いました。
加えて、体育館にEV(電気自動車)から外部給電できるシステムも挙げられます。
現在は、トヨタグループなどの自動車メーカーと連携しながら、非常時でも安定したEVの配車を含めた外部給電の整備を進めています。
防災啓発事業等説明
防災啓発事業の一環として市民向けにお話されている、阪神・淡路大震災の教訓に基づく自助・共助・公助の備えについてお話を伺いました。
まず、阪神・淡路大震災の具体的な概要や災害対策について詳しく説明いただきました。避難所の設置や経済的損失の額、神戸市の他自治体への支援姿勢などが伝えられました。また、地域の防災訓練への参加の大切さや日常生活での備えの重要性が強調されました。家庭内での非常食の用意や家具の固定など、さまざまな小さな準備が大きな影響を持つことが認識されました。
この教訓から、自助・共助・公助の理念を通じて、災害に強いまちづくりを目指す姿勢が伝わりました。また、日頃からの助け合いや地域の結束が、災害時において重要な役割を果たすことも理解しました。
日常生活での小さな準備が大きな差を生むことや、地域の防災訓練への参加が災害時に役立つことについてのポイントが印象的でした。このような取り組みを通じて、地域全体で安全なまちづくりに向けて一緒に努力する重要性を再認識しました。